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不動産投資コラム

年収と手取りの違いとは?年収別の目安とNISA・iDeCo・不動産投資で増やす方法

年収が上がっても、「思ったほどお金が残らない」と感じたことはありませんか。その理由は、年収と実際に使えるお金である「手取り」が大きく異なるためです。

本記事では、年収と手取りの違いを基礎から解説し、年収別の手取り額の目安や簡単な計算方法を紹介します。

さらに、控除の活用や副業、新NISA・iDeCo・不動産投資といった資産形成の視点から、手取り額を確保・増やすための具体的な方法も解説します。「自分はいくら使えて、どうすれば手取りを増やせるのか」を明確にしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

この記事でわかること

  • 年収と手取りの違いと、年収別の手取り目安
  • 控除や副業によって手取りを増やす具体策
  • 新NISA・iDeCo・不動産投資を活用した将来の手取りの増やし方

年収と手取りの基本知識

年収とは、給与・ボーナス・各種手当(通勤手当・住宅手当など)を含めた1年間の総収入です。

一方、手取りとは、そこから所得税・住民税といった税金と、健康保険・厚生年金・雇用保険などの社会保険料を差し引いた後の、実際に使えるお金のことです。たとえば年収400万円でも、手取りは約310〜320万円程度になります。年収の約2〜3割が自動的に引かれるイメージです。

また、年収が同じ人でも、家族構成や加入している保険の種類によって手取り額は変わります。そのため、生活費や貯蓄の計画を立てるときは、年収ではなく手取り額を基準にすることが大切です。

年収別の手取り額シミュレーション

ここでは、一般的な会社員を想定し、年収ごとの手取り額の目安を確認します。シミュレーションを通じて、毎月どの程度使えるお金があるのかを具体的に把握していきましょう

年収別手取り早見表

以下の表は、年収を100万円刻みで区分し、それぞれの手取り額の目安を示したものです。実際の手取り額は年齢や家族構成、各種控除の有無によって異なりますが、本記事では次の条件を前提に算出しています。

【計算条件】

  • 会社員(給与所得者)
  • 独身・扶養家族なし
  • 40歳未満(介護保険料なし)
  • 適用控除:給与所得控除、基礎控除、社会保険料控除のみ

なお、扶養家族がいる場合や生命保険料控除・医療費控除などを適用できる場合は、表の金額より手取りが多くなる傾向があります。一方、40歳以上の方は介護保険料の負担により、手取りが少なくなる点に注意が必要です。

年収手取り額手取り率
200万円約163万円約82%
300万円約240万円約80%
400万円約316万円約79%
500万円約390万円約78%
600万円約460万円約77%
700万円約530万円約76%
800万円約590万円約74%
900万円約660万円約73%
1,000万円約726万円約73%
1,100万円約790万円約72%
1,200万円約855万円約71%
1,300万円約916万円約70%
1,400万円約970万円約69%
1,500万円約1,020万円約68%
1,600万円約1,080万円約68%
1,700万円約1,130万円約66%
1,800万円約1,180万円約66%
1,900万円約1,240万円約65%
2,000万円約1,300万円約65%

年収から手取りを簡単に計算する方法

手取り表から、年収に応じて次のような計算式で簡単に手取り額を計算することができます。所得税・住民税率の差や家族の有無などによって手取り額が異なるためある程度の幅がありますが、大体の目安を計算することができます。

年収手取り額
500万円以下額面給与 80%
500万円超 1,000万円以下額面給与 70%~80%
1,000万円超 2,000万円以下額面給与 65%~70%

例えば、年収1,000万円の方であれば次のように大まかな手取り額を求められます。

1,000万円 × 0.7~0.8 = 700万円~800万円

この計算式は概算です。実際の手取り額は扶養家族の有無や各種控除により±5%程度変動する可能性があります。

手取り額を確保・増やすための方法

年収別手取り早見表をご覧になって、「思ったより手取りが少ない」と感じた方も多いのではないでしょうか。

適切な対策を講じることで、手取り額を確保・増やすことは可能です。ここでは、「控除の活用」「副業による収入増」「長期的な資産形成」という3つの視点から、実践しやすい方法を紹介します。

1.控除を活用して手取りを確保する

「控除」とは、税金を計算する基準となる所得を減らせる仕組みのことです。税制上認められている各種控除をうまく活用すれば、所得税・住民税の負担を合法的に軽減できます。

■ 医療費控除
1年間の医療費が10万円(総所得金額等が200万円未満の方は、総所得金額等の5%)を超えた場合、超過分を「所得控除」として申告できます。所得控除とは、税金を計算する基準となる所得を減らすことで、結果的に税金が安くなる仕組みです。

※たとえば総所得金額等が150万円の方の場合、基準額は「150万円 × 5% = 7.5万円」となり、10万円ではなく7.5万円を超えた分から控除対象になります。年収が比較的低い方は、この基準もあわせて確認しましょう。

【計算例】

  • 年間の医療費:15万円
  • 控除される金額:15万円 − 10万円 = 5万円
  • 所得税の節税額:5万円 × 10%(所得税率) = 5,000円
  • 住民税の節税額:5万円 × 10% = 5,000円
  • 合計節税額:1万円

年収が高いほど所得税率も高くなるため、節税効果も大きくなります。※復興特別所得税(所得税額の2.1%)を含めると、実際の節税額は若干多くなります。

■ 生命保険料控除
生命保険、医療保険、個人年金保険に加入している方は、支払った保険料に応じて税金が安くなります。

【控除の仕組み】
以下の3種類について、それぞれ最大4万円ずつ、合計12万円まで所得控除が受けられます(最大控除には、それぞれ年間8万円以上=月約6,700円以上の保険料が必要です)。

  • 一般生命保険料控除(死亡保険など):最大4万円
  • 介護医療保険料控除(医療保険、がん保険など):最大4万円
  • 個人年金保険料控除(個人年金保険):最大4万円

【計算例】
年収500万円・3種類すべてで最大控除(年間保険料24万円)の場合

  • 所得税の節税額:控除額12万円 × 10% = 12,000円
  • 住民税の節税額:控除額7万円 × 10% = 7,000円
  • 合計節税額:12,000円 + 7,000円 = 約19,000円

※住民税の控除上限は所得税と異なり、3種類合計で7万円までです。そのため「所得税の控除額×税率」では計算できません。

【申告方法】
会社員の方は年末調整で申告可能です(10月頃届く「保険料控除証明書」を勤務先へ提出)。個人事業主の方は確定申告(2〜3月)で申告します。

控除を活用することで、年間数千円〜数万円の節税が可能です。該当する控除を漏れなく申告し、本来受け取るべき手取り額を確保しましょう。

2.副業で収入を増やす(税負担にも注意)

副業以外の収入源を持つことで、総収入を増やし、収入の安定性を高めることができます。

【副業の種類と特徴】

  • スキル型副業:プログラミング、デザイン、ライティング、翻訳など
    報酬単価が高く、本業のキャリアアップにもつながる可能性があります。
  • 時間型副業:アルバイト、配送、接客など確実に収入が得られますが、時間的な拘束が大きくなります。
  • 資産型副業:株式投資、ブログ・YouTubeなどの広告収入が軌道に乗れば自動的に収入が得られる可能性がありますが、初期投資がかかるうえ、元本割れなど収入が保証されないリスクもあります。

【副業収入と手取りの目安】
例えば、副業で月5万円の所得を得られれば、年間60万円の収入増となります。ただし、副業所得は本業の給与と合算して課税されるため、全額が手元に残るわけではありません。

【計算例】
年収500万円の場合

  • 副業所得:60万円
  • 税負担(所得税・住民税 20%):12万円
  • 手取り増加額:48万円

※税率は年収や控除の状況によって異なります。

また、副業所得が一定額を超える場合は確定申告が必要になることがあります。会社員の方は勤務先の就業規則も事前に確認しておきましょう。副業は収入を増やす有効な手段ですが、税負担やルールを理解したうえで取り組むことが大切です。

3.長期的な資産形成で将来に備える

投資は短期的な手取り増加ではなく、長期的な資産形成の手段です。税制優遇のある制度や、安定した収益を生む資産を活用し、計画的に資産を育てることが重要です。

長期的な資産形成の選択肢としては、「新NISA」「iDeCo」「不動産投資」があります。それぞれ特徴が異なるため、自分の目的や資金状況に合った方法を選ぶことが大切です。

項目新NISAiDeCo不動産投資
主な優遇運用益が非課税掛金が所得控除+運用益が非課税家賃収入+各種経費計上・減価償却による節税
引き出し・売却いつでも可能原則60歳まで不可売却は可能だが、すぐに現金化しにくい

元手少額から可能少額から可能まとまった自己資金、またはローン活用が前提
レバレッジ効かない(自己資金の範囲)効かない(自己資金の範囲)ローンを活用し、自己資金以上の資産形成が可能
主なリスク元本割れ元本割れ・資金拘束空室・金利上昇・修繕費・災害など

1.新NISA:非課税で資産を育てる
新NISAは、投資で得た利益が非課税になる制度です。長期的な資産形成に最適で、初心者でも始めやすい仕組みになっています。

主な特徴

  • 年間投資枠:最大360万円(つみたて投資枠120万円 + 成長投資枠240万円)
  • 非課税保有限度額:1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)
  • 非課税保有期間:無期限

2つの投資枠

  • つみたて投資枠:金融庁が選定した低コストの投資信託のみ。毎月コツコツ積立に最適
  • 成長投資枠:個別株や幅広い投資信託が対象。まとまった金額での投資も可能

毎月3万円を年利3%で20年間積み立てた場合、元本720万円が981万円に成長します(利益261万円が非課税)。

ただし、値動きがあるため元本割れのリスクがあります。短期的な利益を狙うのではなく、長期的な視点で続けることが大切です。

2.iDeCo:節税しながら老後資金を準備
iDeCoは、NISAの「運用益が非課税」という特典に加えて、掛金が全額所得控除の対象になるという、もう一段階強力な税制優遇がある制度です。老後資金を準備しながら、毎年の所得税・住民税も軽減できます。

掛金の上限額(2026年8月現在)

※勤務先の年金制度により上限が異なります

【節税効果の計算例】
年収500万円の会社員が月2万円を拠出した場合

  • 年間拠出額:2万円 × 12ヶ月 = 24万円
  • 所得税の節税額:24万円 × 10%(所得税率) = 24,000円
  • 住民税の節税額:24万円 × 10%(住民税率) = 24,000円
  • 合計節税額:年間約4.8万円

30年間続ければ、合計約144万円の節税になります。

デメリット

  • 原則60歳まで引き出せない
  • 口座管理手数料がかかる(年間2,000円〜7,000円程度)
  • 投資信託で運用する場合、元本割れのリスクがある

老後資金として割り切れる方に向いた制度です。

【今後の制度変更について】
2025年6月に成立した年金制度改正法により、iDeCoの掛金上限は2027年1月から引き上げられる予定です(会社員〈企業年金なし〉は月6.2万円になる見込みなど)。上記の上限額はあくまで現時点(2026年8月)のものであり、拠出を検討する際は最新情報をご確認ください。

出所:厚生労働省

3.不動産投資:ローンを活用して資産を育てる

不動産投資は、新NISAやiDeCoとは異なり、金融機関のローンを活用して資産形成を目指せる点が特徴です。レバレッジ効果により、自己資金以上の規模で運用できる可能性があります。

主な特徴

  • 家賃収入(インカムゲイン):入居者がいる限り、毎月安定した収入が得られます
  • レバレッジ効果:頭金を抑えてローンを活用することで、少ない自己資金で大きな資産を保有できます
  • 節税効果:減価償却費や管理費、ローン金利などを経費として計上でき、給与所得と損益通算することで所得税・住民税の負担を軽減できる場合があります
  • 生命保険代わりになる:ローン契約時に加入する団体信用生命保険(団信)により、万一の場合はローン残債が保険で完済され、家族に無借金の不動産を残せます

■ 主なリスクと対策

  • 空室リスク:立地選定や需要調査が重要。管理会社によるサブリース契約で一定の家賃保証を受けられる場合もあります
  • 金利上昇リスク:ローン返済額が増える可能性があるため、固定金利の活用や返済シミュレーションが重要です
  • 修繕費・災害リスク:計画的な修繕積立や火災保険・地震保険への加入で備えることができます

不動産投資は、正しい知識と物件選びが成果を大きく左右する投資です。自己判断だけで進めず、専門家に相談しながら検討することをおすすめします。

【どちらを優先すべき?】
3つの制度は、それぞれ役割が異なります。

  • 新NISA:流動性が高く、まず始めやすい。教育資金・住宅資金など、途中で使う可能性のある資金の形成に向いています。
  • iDeCo:老後資金として割り切れる余裕資金がある方向け。所得控除の節税効果が大きいのが魅力です。
  • 不動産投資:まとまった資産形成やレバレッジを活かした運用をしたい方、生命保険的な機能も兼ねたい方に向いています。

3つを組み合わせることで、流動性・節税効果・資産規模のバランスが取れたポートフォリオを構築できます。ご自身に合った資産形成の方法について、まずは専門家に相談してみてはいかがでしょうか。

投資の基本原則

資産形成では、長期・積立・分散を基本とした運用が重要です。

まずは生活費の3〜6ヶ月分の生活防衛資金を確保したうえで始めましょう。新NISA・iDeCoのような金融商品は、短期的な値動きに一喜一憂せず、長期的な視点で継続することが成果につながります。また、不動産投資のような現物資産を組み合わせることで、株式市場の変動に左右されにくい、バランスの取れた資産形成が可能になります。

金融資産と現物資産、それぞれの特徴を理解したうえで、ご自身に合った組み合わせを検討することが大切です。

出所:金融経済教育推進機構

まとめ

年収と手取りは同じではなく、税金や社会保険料の影響で、年収の約20〜30%が差し引かれるため、実際に使えるお金は年収より少なくなります。

そのため、家計管理や資産形成では、年収ではなく手取り額を把握することが大切です。

手取り額は、各種控除の活用や副業による収入アップに加え、新NISA・iDeCo・不動産投資などを活用した長期的な資産形成によって増やすこともできます。

まずは自分の手取り額を確認し、できることから取り組んでいきましょう。


【参考資料】
■国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について(源泉所得税関係)」
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/0025004-025.pdf#page=2
■国税庁「No.1140 生命保険料控除」
https://www.mhlw.go.jp/content/10600000/001690086.pdf
■生命保険文化センター「生命保険と税金
https://www.jili.or.jp/knows_learns/basic/tax/22.html
■国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1900.htm
■iDeCo「iDeCo(イデコ)をはじめるまでの4つのポイント」
https://www.ideco-koushiki.jp/start/#step1
■厚生労働省「私的年金度、  iDeCoの改正のポイント」
https://www.mhlw.go.jp/content/10600000/001690086.pdf
■金融庁「NISAを知る」
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/know/index.html
■国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1120.htm
■金融経済教育推進機構「リスクを抑えて賢くふやす!3つのポイント「長期・積立・分散」」
https://www.j-flec.go.jp/public/learn/columns/

監修者
FPヤマネー(yamony)

資格:2級FP技能士・日商簿記2級・宅地建物取引

建築学科を卒業後、建設会社での実務を経て不動産業界に転身。
「お金のことは難しい」「誰に相談すればいいかわからない」といった不安や疑問に応えていきたいという思いから、FPとしての活動を開始。これまで培った知見と経験を活かし、「できるだけわかりやすく」「今日から実践できる」お金の情報提供を心がけています。

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