マンション投資とは?仕組み・メリット・リスクを解説

マンション投資に興味はあっても、融資を利用して物件を購入するケースもあり、空室や家賃下落、修繕費、金利上昇などのリスクもあるため、長期的な収支を見通したうえで判断する必要があります。
一方で、「仕組みがよくわからない」「リスクが不安」「何から始めればいいのかわからない」という方も少なくありません。
本記事では、マンション投資の基本的な仕組みから、物件選びのポイント、メリット・リスク、失敗を避けるための具体的な始め方まで、初めて検討する方にもわかりやすく解説します。
マンション投資が自分に合った選択肢かどうかを判断する材料として、ぜひご覧ください。
この記事でわかること
- マンション投資の仕組みと、利益を生む2つの方法(家賃収入と売却益)
- 区分・一棟、新築・中古など、自分に合った物件の選び方
- メリットとリスクを踏まえた、失敗しないための始め方と資金計画
マンション投資の仕組み

マンション投資とは、マンションやアパートを購入し、第三者に賃貸することで収益を得る不動産経営です。「大家さん」として物件を保有する形になり、株式やFXのように日々の値動きを追う必要がない点が特徴として挙げられます。
ただし、融資審査や物件選び、購入後の管理には一定の知識と準備が必要であり、他の資産運用と同様に相応の検討が求められます。
インカムゲイン(家賃収入)とキャピタルゲイン(売却益)
マンション投資の利益は、毎月の家賃収入である「インカムゲイン」と、売却時の差益である「キャピタルゲイン」の2つに大別されます。
インカムゲインは、入居者から毎月支払われる家賃を収入として得る仕組みです。長期にわたって継続的な収入を得られる可能性がある一方、空室や家賃下落によって収入が減少するリスクもあります。継続的な収益を確保するには、賃貸需要を見極め、空室期間を抑えることが重要です。
キャピタルゲインは、物件を将来売却した際に、購入価格を上回ることで得られる売却益です。不動産価格の変動によって利益を得られる可能性がある一方、価格が下落すれば売却損が発生するリスクもあります。売却益は市況に左右されやすいため、初心者は売却益だけを前提とせず、保有期間中の家賃収入や支出も含めて長期的な収支を考えることが大切です。
利回りの考え方
マンション投資の収益性を判断する際は、「表面利回り」と「実質利回り」を使い分けます。
| 種類 | 計算式 | 特徴 |
|---|---|---|
| 表面利回り | 年間家賃収入 ÷ 購入価格 × 100 | 経費未考慮のため目安程度 |
| 実質利回り | (年間家賃収入−年間経費) ÷ 購入価格 × 100 | 手残り利益に近く実態把握に有効 |
健美家「収益物件 市場動向マンスリーレポート」2026年8月期によると、区分マンションの表面利回り(平均)は以下の通りです。
| エリア | 表面利回り |
|---|---|
| 23区 | 5.07% |
| 一都三県 | 5.95% |
| 全国 | 6.61% |
23区は他のエリアと比べて物件価格の水準が高いため、表面利回りは低めになる傾向があります。
ただし、これはあくまでエリアや物件種別ごとの平均値であり、個別の物件の収益性を示すものではありません。
実際の手残り額を確認するには、管理費・修繕積立金・固定資産税・ローン返済などの支出を含めて、物件ごとの収支を試算することが大切です。
投資対象の種類と選び方

不動産投資と一口に言っても、対象となる物件の種類によって必要な自己資金や収益性、リスクの大きさは大きく異なります。
ここでは、物件の規模による違い(区分マンションvs一棟マンション)、築年数による違い(新築vs中古)を比較したうえで、両者に共通する物件選定のチェックポイントを整理します。
区分マンション vs 一棟マンション
区分マンション投資とは、マンションの建物全体ではなく一室(一区画)のみを購入して貸し出す投資方法で、ワンルームマンション投資などがこれに該当します。
これに対して一棟マンション投資は、建物全体と土地を丸ごと購入し、複数の部屋を貸し出す方法です。両者は必要な自己資金や収益の規模、空室リスクの大きさが大きく異なるため、まずは違いを比較してみましょう。
| 比較項目 | 区分マンション | 一棟マンション |
|---|---|---|
| 物件価格 | 数百万円〜比較的安い | 数千万円〜数億円 |
| 必要自己資金 | 少ない | 多い |
| 管理範囲 | 所有する一区画のみ | 敷地・建物全体 |
| 収益規模 | 一室分のみで小さい | 複数室分でまとまった収入 |
| 空室リスク | 退去=収入ゼロになりやすい | 複数室で分散されやすい |
| 向いている人 | 初心者・自己資金が限られる人 | まとまった資金がある経験者 |
自己資金が限られる場合や、まずは小さく始めて経験を積みたい場合は、上表の通り必要資金・損失インパクトの両面で区分マンションの方が選びやすい傾向があります。どちらが適しているかは、自己資金の額や将来的な投資規模の見通しによって異なるため、一律に決めるのではなくご自身の状況に照らして検討しましょう。
新築 vs 中古
マンション投資では、区分・一棟のいずれを選ぶ場合も、新築と中古のどちらを購入するかが重要な判断ポイントになります。新築は入居者に選ばれやすい設備や仕様を備えていることが多く、購入後しばらくは大規模な修繕が発生しにくい傾向があります。一方、中古は新築に比べて購入価格を抑えやすく、過去の賃貸実績や修繕履歴などを確認できる点が特徴です。
ただし、新築は購入価格に新築ならではの価格が反映されている場合があり、中古は築年数によって設備の更新や修繕費用が必要になる場合があります。
| 比較項目 | 新築 | 中古 |
|---|---|---|
| 購入価格 | 「新築プレミアム」で割高になりやすい | 相対的に抑えられる |
| 入居率 | 高くなりやすい | 立地・管理次第 |
| 修繕リスク | 当面は低い | 経年劣化による発生あり |
| 実績確認 | できない(未入居のため) | 賃貸実績・修繕履歴を確認できる |
| 資産価値の推移 | 購入後に下落しやすい傾向がある | 下落幅は相対的に緩やか |
| 利回り | 価格が高いぶん低くなりやすい | 相対的に高くなりやすい |
新築と中古にはそれぞれ異なるメリットとリスクがあります。物件価格だけで判断せず、購入後の収支や修繕計画、将来の売却まで含めて比較しましょう。このように、新築・中古のどちらか一方を一律に推奨するのではなく、自分の投資目的や資金計画に合った物件を選ぶことが重要です。
物件選定の共通チェックポイント
新築・中古、区分・一棟を問わず、購入前に確認すべき基準は以下の通りです。
- 立地条件:駅からの距離、商業施設の充実度、人口動態や再開発計画。空室リスクの大きさに影響しやすい項目の一つです。
- 耐震性:1981年6月1日以降に建築確認を受けたかを確認します。中古物件は、確認済証などで建築確認日を確認し、耐震診断や耐震改修の実施状況も調べましょう。
- 管理費・修繕積立金:金額が適正か、中古の場合は積立不足がないか、長期修繕計画の有無を確認します。
- 総戸数:戸数が多いほど、1戸あたりの管理費や修繕積立金が抑えられる傾向があります。ただし、総戸数だけでなく、管理費や修繕計画も併せて確認しましょう。
これらの基準は物件の種類を問わず共通して当てはまるため、内見や資料確認の際にあわせて確認しておくことをおすすめします。
マンション投資のメリット

メリットは性質ごとに、経済的メリット・税制メリット・保険的メリットの3つに整理できます。
経済的メリット
不動産投資ローンを活用すれば、物件価格の一部を自己資金、大部分を融資でまかなう形で始めることができます。ただし融資条件は、物件の担保評価や個人の年収・属性によって金融機関ごとに異なるため、事前に複数の金融機関へ相談することが重要です。
また、入居者がいる限り毎月家賃収入が得られ、株式やFXのような短期的な価格変動リスクは比較的小さいのも特徴です。ローン完済後は家賃収入の大部分が手元に残るため、老後の収入源の一つとして活用される場合もあります。
さらに、不動産は現物資産であるため、インフレ局面で物件価格や家賃が上昇するケースもありますが、必ず連動するわけではなく、立地やエリアの需給によって結果は異なります。金利上昇リスクとは表裏一体のため、あわせて理解しておきましょう。
税制メリット
建物価格は法定耐用年数に応じて「減価償却費」として計上できます。現金支出を伴わないにもかかわらず経費として認められるため、課税所得を圧縮する効果があります。家賃収入が経費を下回り赤字になった場合は、給与所得と「損益通算」することで還付を受けられる可能性もあります。
相続税では、不動産は現金よりも評価額が低くなる場合があります。特に賃貸用不動産は、建物を貸家、土地を貸家建付地として評価することで、評価額が下がる可能性があります。ただし、適用条件や賃貸割合などによって評価額は異なります。
保険的メリット
不動産投資ローンでは、金融機関や商品によって団体信用生命保険(団信)への加入が求められる場合があります。団信に加入していると、契約者が死亡または所定の高度障害状態になった際、保険金がローンの返済に充てられ、残債が完済されます。
これにより、遺族はローン返済の負担を負わずに、家賃収入を生み出す物件を承継できる可能性があります。そのため、団信は生命保険に似た役割を果たします。ただし、加入条件、保障範囲、保険料の負担方法などは金融機関や商品によって異なります。
マンション投資のリスクと対策

マンション投資には、経済的なメリットと表裏一体の形でいくつかのリスクが存在します。それぞれの内容と対策を理解しておきましょう。
キャッシュフローに関わるリスク
家賃収入とローン返済のバランスを崩すリスクとして、主に以下の4つが挙げられます。
- 空室リスク:家賃収入がゼロになっても、ローン返済や管理費の支出は続きます。賃貸需要の高いエリア選びと、入居者募集に強い管理会社との提携が対策になります。
- 家賃滞納リスク:長期化すると立ち退き交渉や法的手続きが必要になることも。入居審査の厳格化や保証会社への加入義務付けで備えます。
- サブリースリスク:「永久家賃保証」と誤認されがちですが、実際は数年ごとに家賃が見直されます。契約書の改定・解約条項の事前確認が欠かせません。
- 金利上昇リスク:変動金利は将来の返済額増加につながります。固定金利との比較や繰り上げ返済で備えましょう。
いずれも購入前の物件選びと、購入後の維持管理の両面で備えておくこが、長期的な資産価値の維持につながります。
資産価値・建物に関わるリスク
物件そのものの価値や状態に関わるリスクとして、主に以下の3つが挙げられます。
- 物件価値下落リスク:市場変動や周辺環境の変化により物件価値が下落するリスクです。将来性のある立地を選び、管理状態を良好に保つことが資産価値の維持につながります。
- 修繕リスク:建物の経年劣化による外壁塗装や給排水管の交換、設備故障といった費用が発生するリスクです。修繕積立金を計画的に積み立て、購入前に修繕履歴や長期修繕計画を確認しておきましょう。
- 災害リスク:地震・火災・台風・洪水などによる損害リスクです。新耐震基準の物件を選ぶこと、火災保険・地震保険への加入で備えます。
いずれも購入前の物件選びと、購入後の維持管理の両面で備えておくこが、長期的な資産価値の維持につながります。
失敗事例に共通する要因
これらのリスクへの備え不足が、失敗の主な要因です。具体的には、空室や家賃下落を想定せず「家賃収入だけでローン返済が回る」と楽観視した返済計画、固定資産税や大規模修繕費といった継続的にかかるコストの見落とし、「絶対に儲かる」「節税になる」といった営業トークを自分で検証せずに購入してしまうケースなどが典型例です。これらの対策を事前に講じることで、リスクを抑えることができます。
マンション投資の始め方と資金計画

リスクへの個別対策は「マンション投資のリスクと対策」で述べた通りのため、本セクションでは購入までの意思決定プロセスに絞って解説します。
ステップ1:投資目的の明確化
まず「なぜマンション投資をするのか」を言語化することが、すべての判断の出発点になります。目的によって、選ぶべき物件タイプや資金計画の考え方は大きく変わるためです。
- 老後資金の確保:長期保有を前提に、空室リスクの低い都心部の区分マンションなど、安定したインカムゲインを重視する。
- 節税:減価償却や損益通算の効果が見込める物件・所有形態を優先し、税理士とも相談しながら選定する。
- 資産形成・将来の売却益:再開発エリアなど将来の資産価値向上が見込める立地を重視し、キャピタルゲインも視野に入れる。
目的を先に明確にしておくことで、次のステップ以降の資金計画や物件選びが一貫した軸で判断できるようになります。
ステップ2:自己資金と諸費用の把握
物件購入にあたって準備すべき資金は、大きく以下の3つです。
- 頭金の目安:物件価格の10〜20%
- 諸費用(仲介手数料・登記費用・火災保険料・不動産取得税など)の目安:物件価格の7〜10%
- 予備資金:生活費の数ヶ月分は別途確保しておく
これらを合計すると、物件価格の2〜3割程度を目安に自己資金を準備しておくと安心です。
ステップ3:融資審査基準の確認
金融機関の審査では、主に以下が確認されます。
- 属性:勤務先の安定性、年収、勤続年数
- 年収倍率:借入額が年収の何倍かという指標。一般的に年収の7〜10倍程度が目安とされるが金融機関により差がある
- 物件の担保評価:立地・築年数・構造による評価額
- 完済時年齢:多くの金融機関で80歳前後を上限とするため、35年ローンなら45歳前後までに組むのが目安
審査基準は金融機関によって差があるため、複数の金融機関に事前に相談し、条件を比較しておくとよいでしょう。
ステップ4:借入額と返済計画のシミュレーション
不動産投資ローンは、家賃収入も返済原資に含めて評価される点が住宅ローンと異なります。そのため、以下の観点で収支をシミュレーションしておくことが重要です。
- 満室時の家賃収入をそのまま前提にせず、空室率を一定程度見込んだ「実効家賃収入」でローン返済がまかなえるかを試算する。
- 家賃下落や金利上昇を織り込んだ複数のシナリオを用意し、悪条件が重なった場合でも自己資金からの持ち出しで対応できる範囲かを確認する。
- 固定金利・変動金利のどちらを選ぶかは、自身のリスク許容度と資金計画の柔軟性で判断する。
楽観的な条件だけでなく、悪条件が重なった場合の収支もあわせて確認しておくことが、無理のない資金計画につながります。
ステップ5:信頼できるパートナー選び
物件購入後の運用を見据え、以下のパートナーを事前に検討しておきましょう。
- 管理会社:入居率や地域情報への精通度に加え、トラブル発生時の対応体制(24時間受付窓口の有無など)や、 既存オーナーからの評判も確認材料になります。管理手数料は家賃の5%程度が相場です。
- 不動産投資会社:複数社のセミナー・個別相談を比較し、提携ローンの金利優遇なども確認する。
- ファイナンシャルプランナー・税理士:資金計画の策定、確定申告や節税策の相談に活用する。
物件購入後も長く付き合っていく相手だからこそ、価格や条件だけでなく、担当者との相性や対応の誠実さも含めて見極めることが大切です。
ここまでの5つのステップは、あくまで検討の進め方の一例です。実際には物件ごとの個別事情も踏まえ、専門家に相談しながら無理のない計画を立てていきましょう。
当社でも、資金計画のシミュレーションから物件のご提案まで、個別相談を承っております。
よくある質問(Q&A)
マンション投資を検討する際によく寄せられる質問をまとめました。本文で触れきれなかった点を中心にご紹介しますので、あわせて参考にしてください。
Q. 会社員でもマンション投資はできますか?
会社員でもマンション投資を始めることは可能です。多くの企業では不動産投資は「資産運用」とみなされ、副業規定の対象外となるのが一般的ですが、基準は会社ごとに異なるため、就業規則の確認や人事部への相談をおすすめします。
なお、税務上「5棟10室以上」は不動産所得の「事業的規模」の目安とされていますが、これは勤務先の副業規定とは別の基準です。規模を拡大する際は、両者を混同せず、それぞれ個別に確認しましょう。
Q. 確定申告は必要ですか?
給与所得者の場合、家賃収入から経費を差し引いた不動産所得が年間20万円を超えると、所得税の確定申告が必要になります(住民税については別途申告が必要な場合があるため注意しましょう)。
赤字になった場合でも、確定申告を行うことで給与所得との損益通算のメリットを受けられる可能性があるため、忘れずに行いましょう。
Q. 希望する金額の融資が通らなかった場合はどうすればいいですか?
自己資金を増やして借入額を圧縮する、より価格を抑えた物件に変更する、複数の金融機関に相談して条件を比較する、といった対応が一般的です。
年収に対して希望額が過大な場合や、他の借入(自動車ローン等)が影響している場合もあるため、まずは金融機関や不動産会社に審査結果の要因を確認するとよいでしょう。
まとめ
マンション投資は、毎月の家賃収入(インカムゲイン)と売却時の利益(キャピタルゲイン)で資産を築く長期的な資産運用です。
融資を活用すれば自己資金の一部で始められる、安定収入や節税、団信による保障が期待できるなど、会社員や公務員の方にとっても検討する価値のある選択肢です。
一方で、様々なリスクも伴うため、正しい知識をもとに事前の対策を講じておくことが欠かせません。物件購入はゴールではなく、そこから始まる長期的な経営です。当社ではお客様の目的や資金状況に合わせた物件のご提案から購入後の運用サポートまで一貫してお手伝いしています。
まずはお気軽に個別相談・資料請求をご利用ください。
【参考資料】
■健美家「収益物件 市場動向マンスリーレポート」2026年8月期
https://www.kenbiya.com/doc/press/pre2026-09-09.pdf
■国税庁「No.2250 損益通算」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2250.htm
■国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1900.htm
■国税庁「No.1373 事業としての不動産貸付けとそれ以外の不動産貸付けとの区分」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1373.htm