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不動産投資コラム

金融資産とは|種類・日本人の平均保有額・増やし方を徹底解説

金融資産とは何か、どのように増やし、管理すればよいのかは、資産形成を考えるうえで欠かせない知識です。

しかし、株式や債券、投資信託など金融商品の種類は多く、何から始めればよいかわからないという方も多いのではないでしょうか。資産形成の第一歩として、ぜひ参考にしてください。

【この記事でわかること】

  • 金融資産の定義と実物資産との違い
  • 日本人の金融資産の保有状況と海外との比較
  • 金融資産を増やすための戦略と管理方法

金融資産とは?

金融資産とは、「現金や預貯金」「株式」「債券」などの金融商品として保有する資産を指します。不動産などの実物資産とは異なり、契約や権利として価値を持つ点が特徴で、比較的換金しやすいものが多く、資産形成において重要な役割を果たします。

ここでは、金融資産の定義や特徴、実物資産との違いについて説明します。

金融資産と実物資産の違い

資産は大きく「金融資産」と「実物資産」に分けられます。

それぞれの特徴は以下のとおりです。

両者の特性を理解したうえでバランスよく保有することが、安定した資産形成につながります。

金融資産の主な種類

金融資産にはさまざまな種類があり、それぞれ安全性・流動性・収益性の面で異なる特徴を持ちます。資産形成を考える際には、各金融商品の特性を理解したうえで、目的やライフステージに合わせて組み合わせることが重要です。

ここからは代表的な金融資産について順番に説明します。

現金・預貯金

現金や預貯金は、最も基本的な金融資産の一つです。銀行や信用金庫などの金融機関に預けるお金のほか、自宅で保管する現金も広義では預貯金に含まれます。日常生活の支払いや緊急時の資金として利用しやすく、流動性が高い点が特徴です。

預貯金には金利がつきますが、日銀の利上げを受けて上昇傾向にあるとはいえ、メガバンクの普通預金金利は2026年8月に0.3%から0.4%へ引き上げられる予定です。それでも、預貯金は資産を大きく増やす手段というよりも、資金の安全性や流動性を確保する役割として活用されることが一般的です。

債券

債券とは、国や企業が資金を調達するために発行する有価証券です。国が発行する国債や企業が発行する社債などがあり、購入者は保有期間中に定期的な利息を受け取ることができます。

また、デフォルト(債務不履行)が発生しない限り、満期時には額面金額が払い戻されるため、株式に比べて値下がりリスクが小さく、安定した収益が期待できる資産として位置付けられています。

一方で、市場金利が上昇すると債券価格は下落する「金利リスク」や、発行体の財務状況が悪化した場合に利息や元本の支払いが滞る「信用リスク」にも注意が必要です。

株式

株式とは、株式会社が資金を調達するために発行する有価証券です。株式を購入すると株主としてその企業のオーナーの一人となり、企業の収益に応じた配当金や株主優待を受け取ることができます。また、株価が上昇した場合には売却によって利益を得られる可能性もあります。

株式は金融資産の中でも値動きが比較的大きく、短期間で大きな利益を得られる一方、大きな損失が発生するリスクもあります。企業の成長や経済の発展に伴って価値が上昇する可能性があるため、長期的な資産形成の手段として資産運用の代表的な選択肢の一つとなっています。

投資信託

投資信託とは、複数の投資家から集めた資金をまとめて、専門家(ファンドマネージャー)が株式や債券などに投資・運用する金融商品です。運用の専門知識がなくても始めやすく、少額から購入できる商品も多いため、資産運用の入門として広く活用されています。

複数の資産に分散投資しやすい点も特徴で、個別の株式に投資する場合と比べて価格変動の影響を抑えやすいとされています。運用益をもとにした分配金を受け取れる場合もあります。一方で、元本割れのリスクや購入・運用にかかる手数料がある点には注意が必要です。

生命保険

貯蓄型の生命保険は、金融資産として活用されることがあります。生命保険は万が一のときに家族の生活を支える保障として利用される金融商品であり、終身保険や養老保険などの貯蓄型保険では、満期時に満期保険金、解約時には解約返戻金を受け取ることができます。

このように貯蓄型生命保険は保障と貯蓄の機能を併せ持ち、資産形成の一部として利用されることがあります。なお、掛け捨て型の生命保険は、原則として金融資産には含まれません。

日本人の金融資産の実態

ここまで主な金融資産の種類について説明しました。ここからは、日本人がどの程度の金融資産を保有しているのかを見ていきます。

日本銀行の統計によると、日本の家計が保有する金融資産は2026年3月末時点で2,386兆円です。その一方で、現金・預金の割合(約47%)が依然として高く、株式・投資信託の活用はまだ限定的です。

出典:日本銀行

金融資産はいくら持っている人が多い?

金融経済教育推進機構の「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」を参考に、世帯構成や年齢の観点から平均値・中央値をご紹介します。なお、中央値とは保有額を小さい順に並べたときの中央の値であり、一般的な世帯の実態をより反映した数字とされています。

同調査によると、金融資産保有額の平均値と中央値は単身世帯と二人以上世帯で以下のとおり異なります。

出典:金融経済教育推進機構

平均値・中央値ともに、二人以上世帯が単身世帯を上回る結果となりました。また、どちらの世帯区分においても平均値と中央値に大きな開きがあり、これは高額な金融資産を保有する一部の世帯が平均値を押し上げているためと考えられます。そのため、一般的な世帯の実態をより反映した中央値で見ると、単身世帯450万円、二人以上世帯1,050万円が実際の保有額に近い水準といえます。

年代別の金融資産傾向

続いて、各年代別ごとに金融資産保有額をみていきましょう。単身世帯の金融資産保有額は以下となっています。

出典:金融経済教育推進機構

二人以上世帯は以下です。

出典:金融経済教育推進機構

グラフからは、年代が上がるにつれて金融資産が増える傾向が確認できます。単身世帯・二人以上世帯ともに、20代から60代にかけて資産額が徐々に増加しており、就労期間中の貯蓄や資産運用の積み重ねによる影響と考えられます。

また、どの年代でも平均値と中央値に差がある点が特徴です。一部の高資産層が平均値を押し上げているためと考えられ、一般的な資産水準を把握する際には中央値が参考になるでしょう。

さらに、同じ年代でも二人以上世帯のほうが資産額は高い傾向があります。共働きや長期的な貯蓄の積み重ねなどが影響していると考えられ、70代では老後の生活費として資産を取り崩している世帯が増えるため、平均資産がやや減少する傾向にあります。

年収と金融資産の相関

金融資産の保有額は、世帯構成や年代だけでなく年収とも関係があります。同調査によると、年収が高い世帯ほど金融資産の平均額が増える傾向があります。

以下は単身世帯です。

出典:金融経済教育推進機構

そして二人以上世帯です。

出典:金融経済教育推進機構

グラフからは、年収が高いほど金融資産も増える傾向が確認できます。特に年収1,000万円以上の層では資産額の増加が大きく、収入の高さが資産形成に影響していることがわかります。

一方で、どの年収帯でも平均値と中央値の差が大きい点が特徴です。一部の高資産層が平均値を押し上げているためと考えられ、一般的な資産水準を把握する際には中央値も参考になります。

なお、「収入なし」世帯の平均値が高いのは、リタイア世帯が含まれている可能性があるためです。

海外との比較で見る日本の金融資産

日本の家計は現金や預貯金の割合が高い一方、海外では株式や投資信託などの投資商品を活用した資産形成が一般的な国も多く、資産構成には明確な違いがあります。こうした海外との比較を通じて、日本特有の資産運用の傾向と背景を見ていきます。

日本とアメリカの家計金融資産の比較

下のグラフは、日本とアメリカの個人家計における金融資産の内訳を示したものです。

出典:日本銀行

日本の家計金融資産は2025年3月末時点で2,195兆円であり、その内訳は51%が現金・預金である一方、株式・投資信託などの投資による資産の割合は約18%にとどまっています。

一方、アメリカの家計金融資産は128.8兆ドルです。内訳を見ると、現金・預金の割合は約12%にとどまり、株式・投資信託の割合は約55%と、日本とは対照的な構成となっています。

日本での現金比率が高い理由

日本で現金や預貯金の割合が高い背景には、歴史的・文化的な要因があります。高度経済成長期には銀行預金の金利が高く、預貯金が安全に資産を増やせる手段として広く利用されており、その経験が現在の資産保有の考え方にも影響していると考えられています。

また、金融市場の変動リスクを避けたいという意識や、老後資金への備えとして安全性を重視する家計が多いことも、現金比率の高さにつながっています。このように日本の金融資産は依然として預貯金の比率が最も高い構成となっていますが、近年は新NISAの影響もあり、株式や投資信託などへの資産シフトが着実に進んでいます。

金融資産の増やし方と管理術

金融資産を増やすためには、収入を増やすだけでなく、資産の運用方法と日頃の管理を組み合わせることが重要です。ここでは、金融庁も推奨する長期・積立・分散の考え方を基本に、分散投資・資産の三分法・資産管理の方法について解説します。

効果的な分散投資の方法

分散投資とは、複数の資産や地域、金融商品に投資先を分けることでリスクを抑える方法です。

株式、債券、不動産、預貯金など異なる性質の資産を組み合わせることで資産全体の値動きを安定させることが期待でき、日本だけでなく海外の資産に投資することも分散の一つの方法とされています。

分散投資は短期的な利益を狙うというよりも、長期的に安定した資産形成を目指すための基本的な投資戦略です。資産のバランスを定期的に見直しながら運用することで、リスクを抑えつつ資産の成長を目指すことができます。

出典:年金積立金管理運用独立行政法人

資産の三分法を活用しよう

資産の三分法とは、資産を「預貯金」「有価証券」「不動産」の3つに分けて管理する方法です。それぞれ流動性・収益性・安全性の面で異なる特性を持っており、性質の違う資産に分散することで、より安定した資産形成を目指すことができます。

先ほどの統計でも見たように、日本の家計は預貯金の比率が高い傾向にあります。三分法を意識して有価証券や不動産を組み合わせることで、リスクを抑えながらバランスのよい資産構成を実現しやすくなります。

資産リストの作成方法

金融資産を管理する第一歩は、自分が保有している資産を一覧にまとめることです。預貯金、株式、投資信託、不動産など、すべての資産をリスト化することで、全体の状況を把握しやすくなります。

資産リストを作成する際には、以下のような項目を整理すると管理しやすくなります。

  • 金融機関名
  • 資産の種類(預金・株式・投資信託など)
  • 現在の残高
  • 購入金額や取得時期

自分でリストを作成するのが難しい場合は、金融広報中央委員会「知るぽると」が無料で提供している「家計の資産管理簿」を活用するのもおすすめです。Excel形式で預貯金や有価証券、保険、実物資産などをまとめて記録できるシートで、半年〜1年に1回程度の頻度で記録していくことで、資産・負債の変動を把握しやすくなります。

定期的に見直すことで資産配分の偏りや運用状況を確認でき、長期的な資産形成を進めるうえでの基本的な習慣となります。

おすすめの家計簿・資産管理アプリ

近年では、家計簿アプリや資産管理アプリを活用して資産を管理する人も増えています。マネーフォワードMEやZaimなど日本で利用者の多いアプリでは、銀行口座やクレジットカードと連携することで収支や資産の状況を自動で確認できます。

日々の収支管理だけでなく資産の推移をグラフで確認することも可能なため、こうしたツールを定期的に活用する習慣をつくることで、資産形成の状況を継続的に把握しやすくなります。

左:マネーフォワード ME・右:Zaim

まとめ

金融資産には現金・預貯金・株式・債券・投資信託などさまざまな種類があり、それぞれ安全性・流動性・収益性の面で異なる特徴を持っています。

日本の家計は依然として預貯金の比率が最も高い資産構成が続いていますが、新NISAなどの活用で株式や投資信託へのシフトが着実に進んでいます。

大切なのは、自分の資産状況を正確に把握したうえで、分散投資や資産の三分法を意識しながら、ライフステージに合った資産管理を継続することです。まずは資産リストの作成や資産管理アプリの活用から始め、自分に合った資産形成の第一歩を踏み出してみてください。

【参考資料】
■金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」
https://www.j-flec.go.jp/data/kakekin_2025/
■日本銀行「参考図表 2026年第1四半期の資金循環 (速報)」
https://www.boj.or.jp/statistics/sj/sjexp.pdf
■日本銀行「資金循環の日米欧比較」
https://www.boj.or.jp/statistics/sj/sjhiq.pdf
■金融庁「資産形成の基本」
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/invest/
■年金積立金管理運用独立行政法人「分散投資の意義③卵を一つのかごに盛るな」
https://www.gpif.go.jp/gpif/diversification3.html
■知るぽると「家計の資産管理簿」
https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/shisan_kanribo/
■Money Forward ME
https://moneyforward.com/
■Zaim
https://zaim.net/

監修者
FPヤマネー(yamony)

資格:2級FP技能士・日商簿記2級・宅地建物取引

建築学科を卒業後、建設会社での実務を経て不動産業界に転身。
「お金のことは難しい」「誰に相談すればいいかわからない」といった不安や疑問に応えていきたいという思いから、FPとしての活動を開始。これまで培った知見と経験を活かし、「できるだけわかりやすく」「今日から実践できる」お金の情報提供を心がけています。

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