COLUMN

不動産投資コラム

インフレに強い資産4選|弱い資産との違いと初心者向け運用の始め方

「最近、物価が上がって生活が苦しくなった気がする」。そう感じている方は少なくないのではないでしょうか。

その背景のひとつが「インフレ」です。インフレ環境では、現金や預金だけに頼った資産管理では実質的な価値が目減りするリスクがあります。では、インフレに強い資産とはどのようなものなのでしょうか。

本記事では、インフレの仕組みから、インフレに強い資産・弱い資産の違い、そして具体的な資産運用の始め方まで、初めて資産運用を考える方にもわかりやすく解説します。


この記事でわかること

  • インフレとは何か、なぜ資産が目減りするのか仕組みがわかる
  • インフレに強い資産・弱い資産の違いがわかる
  • 初心者でも始められるインフレ対策の具体的な方法がわかる

インフレとは?資産が目減りする仕組み

インフレとは物価が継続的に上昇することで、今まで100円で買えたモノが110円出さないと買えなくなるように、お金の価値が相対的に下がる現象です。現金や預金の実質的な価値は、気づかないうちに目減りしていきます。

インフレが起こる主な原因

インフレが起こる原因は、大きく2つに分けられます。

1.需要インフレ(ディマンドプル型)
景気拡大で消費が活発になり、供給が追いつかず価格が上昇するパターンです。「モノを買いたい人が増えすぎて、値段が上がる」イメージです。

2.コストプッシュ型インフレ
原材料やエネルギーのコスト上昇分を、企業が販売価格に転嫁することで物価が上がるパターンです。「作るコストが上がった分、売値も上がる」イメージです。

景気拡大による需要インフレと、原材料高によるコストプッシュ型インフレが、近年の日本では複合的に絡み合っています。

出典:野村グループ

日本のインフレの現状

日本では1990年代後半から長くデフレが続いていましたが、近年はエネルギー価格の高騰や円安を背景にしたコストプッシュ型インフレが進み、最近では賃金上昇による需要インフレの側面も加わりつつあります。

総務省が公表した2026年6月分の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)は、2020年を100として113.1、前年同月比1.6%の上昇となりました。物価上昇率は5ヶ月連続で日銀目標の2%を下回っていますが、依然としてプラスの伸びが続いており、現金・預金だけに頼った資産管理には実質的な目減りリスクが残ります。

出典:総務省統計局「消費者物価指数」より作成

現金の価値はどれくらい下がるのか

インフレが進むと、手元の現金は額面こそ変わらなくても、買えるモノの量は着実に減っていきます。日銀が目標とする物価上昇率2%を前提に試算すると、毎年2%ずつ物価が上昇した場合、10年後には今の100万円で買えるモノの量は約82万円分まで減少する計算になります。つまり、約18万円分の購買力が失われることになります。

預金は元本こそ保護されますが、預金金利が物価上昇率を下回れば、買えるモノの量は確実に減っていきます。「お金は銀行に預けておけば安心」というだけでは、実質的な資産の目減りを防ぎきれない――これがインフレ対策として資産運用が必要とされる理由です。

下図は、物価上昇率0%〜3%の場合のお金の価値の推移を示しています。

インフレに強い資産・弱い資産の違い

インフレが進むと、すべての資産が同じように価値を維持できるわけではありません。資産の一部を、物価の動きに影響を受けにくい資産へ分散する考え方が重要になります。

インフレに強い資産|株式・投資信託・不動産・金・外貨

代表的なインフレに強い資産として、株式・投資信託、不動産、金、外貨の4つが挙げられます。

株式・投資信託
株式は企業の成長と連動する資産です。インフレ環境では企業が商品・サービスの価格を引き上げることで売上・利益が増加し、株価上昇につながる可能性があります。投資信託は、そうした株式を含む複数資産に分散投資できる商品で、専門家が運用するぶん個別株よりリスクを抑えやすい特徴があります。

不動産投資
不動産は、地価や賃料がインフレに伴って上昇しやすく、資産価値の向上に加えて家賃収入という継続的な収益も期待できる、インフレに強い資産の代表格です。株式のような日々の価格変動が少なく、長期的に安定した収益を積み上げやすい点も特徴です。ただし物件選定や立地の見極めが運用成果を大きく左右し、購入には多額の資金も必要となるため、信頼できる不動産投資会社への相談も検討したいところです。

金(ゴールド)
金は世界共通の価値を持つ実物資産で、円安や通貨価値下落の局面で分散先として注目されます。株式や債券と値動きが異なることが多く、資産全体のリスクを抑える効果も期待できます。ただし利息や配当を生まないため、価格が常に上昇するとは限りません。

外貨・海外資産
外貨や海外資産は通貨の分散手段として活用され、円安局面では外貨建て資産の価値が円ベースで上昇する可能性があります。外貨預金・外国債券・海外株式・海外REITなど種類は多様で、複数の通貨・地域に分散することで特定国の経済・通貨変動の影響を抑えられます。ただし円高に転じれば円換算での価値が下がるリスクもあります。

インフレに弱い資産|現預金・固定金利の債券

インフレに弱い資産としては、現預金と固定金利の債券が代表的です。

現預金
現金や銀行預金は安全性・流動性が高い一方、インフレが進むと実質的な価値が下がるリスクがあります。

2026年8月時点で、三菱UFJ・三井住友・みずほの3大メガバンクの普通預金金利は日銀の政策金利引き上げを受けて0.4%まで上昇しましたが、物価上昇率と比べると依然低い水準であり、預金の実質的な価値は目減りしている状況が続いています。

生活費や緊急時の備えとして一定の現金を確保することは重要ですが、資産のすべてを現預金に置くことは、インフレ環境では実質的な目減りにつながる点に注意が必要です。

出典:日本銀行「預金種類別平均金利」より作成

固定金利の債券
固定金利の債券は、あらかじめ決められた利率で利息が支払われる金融商品です。安定した利息収入を得られる反面、物価が上昇しても受け取る利息は増えないため、インフレ環境では実質的な収益が低下するリスクがあります。

たとえば年利1%の固定金利債券を保有していても、物価上昇率が2%になれば実質利回りはマイナスになる計算です。物価連動型の国債など、インフレへの備えとして有利に働く商品も存在するため、金利の種類と物価との関係を理解したうえで検討することが大切です。

インフレに備える資産運用の基本

インフレが進む環境では、現金や預金だけに偏ると実質的な資産価値が下がる可能性があります。一方で、すべてを投資に回せば価格変動のリスクが大きくなります。大切なのは、リスクを抑えながら長期的に資産を育てるバランスの取れた考え方です。基本となるのは「分散・長期・現金バランス」の3つです。

分散投資を行う

分散投資とは、株式・投資信託・不動産・金など、値動きの異なる複数の資産や地域に資金を分けて投資する方法です。ある資産が値下がりしても別の資産が補う可能性があるため、資産全体のリスクを抑える効果が期待できます。特に不動産は株式や投資信託と値動きの連動性が低いとされ、他の資産と組み合わせることで分散効果を高めやすい資産です。

出典:金融経済教育推進機構

長期投資で資産を増やす

長期投資とは、短期的な価格変動に左右されず、長い時間をかけて資産を保有し続ける投資方法です。

投資の名著「ウォール街のランダム・ウォーカー」(バートン・マルキール著)では、1950年以降の米国株式市場のデータをもとに、長期投資を行うほど元本割れのリスクが小さくなる傾向が紹介されており、特に15年以上の長期保有では安定したリターンが得られる可能性が高いとされています。

短期的な値動きに一喜一憂せず時間を味方につけることが、インフレに負けない資産形成につながります。不動産投資も、家賃収入という安定したインカムゲインを長期で積み上げる点で、この考え方と相性の良い資産といえます。

出典:JBpress

現金とのバランスも重要

すべてを投資に回すのは適切ではありません。急な医療費や失業など予測しにくい支出に備え、生活費の3〜6ヶ月分程度を目安に、すぐ使える現金を確保しておく必要があります。

それ以外の、当面使う予定がない資金を運用に回すのが基本的な考え方です。生活防衛資金を確保したうえで、残りを株式や投資信託、不動産などに分散するバランス感覚が大切です。

インフレ対策として資産運用を始める方法

分散・長期・現金バランスという基本を理解したら、次は具体的な一歩です。ここでは、初心者が実際に何から手をつければよいかを解説します。

NISA口座を活用する

資産運用を始めるなら、まず検討したいのがNISA(少額投資非課税制度)です。通常、投資で得た利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座内で得た利益は非課税になります。

NISAには2つの枠があります。

  • つみたて投資枠(年間120万円まで):長期・積立・分散投資に適した一定基準を満たす投資信託が対象
  • 成長投資枠(年間240万円まで):個別株式やより幅広い投資信託にも投資可能

インフレ対策として資産運用を始めるなら、まずはつみたて投資枠で投資信託を毎月一定額購入するのが、初心者にとって始めやすい選択肢です。

出典:金融庁

投資信託の種類を知る

投資信託には、日経平均株価やS&P500など特定の指数と同じ値動きを目指す「インデックスファンド」、専門家が銘柄を選定する「アクティブファンド」、株式・債券・REITなど複数資産に自動分散する「バランス型ファンド」などがあります。

インフレ対策という観点では、株式を中心に組み入れたファンドが値上がり益を通じて対応しやすい選択肢の一つとされています。

少額の積立投資から始める

毎月一定額を継続して投資する「積立投資」では、価格が高いときは少なく・低いときは多く購入することになり、購入価格を平均化する「ドルコスト平均法」の効果が期待できます。まずは無理のない金額から、株式や投資信託で積立投資を始めてみるのも一つの方法です。

一方で、株式や投資信託は日々の値動きが気になりやすく、値下がり局面で不安を感じる方も少なくありません。より安定した収益を長期で積み上げたい方には、家賃収入という形で継続的なインカムゲインが期待できる不動産投資も、インフレ対策の選択肢の一つとして検討する価値があります。

出典:金融経済教育推進機構

まとめ

インフレに強い資産としては株式・投資信託・不動産・金・外貨などが挙げられます。一方、現預金や固定金利の債券はインフレに弱い資産です。資産運用の基本は「分散・長期・現金バランス」の3つ。大切なのは完璧な資産運用を目指すことではなく、まず一歩を踏み出すことです。

数ある選択肢の中でも、不動産投資は家賃収入という安定したインカムゲインを長期で得られ、インフレに伴う地価・賃料の上昇も期待できる資産です。インフレ対策として不動産投資に関心をお持ちの方は、まずは無料資料や個別相談で、ご自身に合った始め方を確認してみてはいかがでしょうか。


【参考資料】
■総務省「2020年基準 消 費 者 物価指数 全 国 2026年(令和7年)6月分」
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf
■日本銀行「主要統計データ閲覧」
https://www.stat-search.boj.or.jp/index.html#
■金融経済教育推進機構「資産形成とは」
https://www.j-flec.go.jp/links/kinyu-navi/learning/kouza4/kouza4-1/index17.html
■JBpress【日経平均4万円超、1ドル151円】株高・円安の今、積立投資をはじめて大丈夫か 新NISA「高値つかみ」不安を解消する
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/80204?page=5
■金融庁「NISAを知る」
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/know/

監修者
FPヤマネー(yamony)

資格:2級FP技能士・日商簿記2級・宅地建物取引

建築学科を卒業後、建設会社での実務を経て不動産業界に転身。
「お金のことは難しい」「誰に相談すればいいかわからない」といった不安や疑問に応えていきたいという思いから、FPとしての活動を開始。これまで培った知見と経験を活かし、「できるだけわかりやすく」「今日から実践できる」お金の情報提供を心がけています。

note

ピックアップ記事